自然薯栽培の流れ
※1 切種芋を使用される方でも芽出しをせずに直植えする方が近年増えてきております。
大規模に栽培される方や、他の農作業と時期が重なるなどで芽出し作業ができない方でも栽培することが可能です。
※2 地域により霜の被害が出ないよう定植時期を調整してください。
※3 長期保存する自然薯は年明けから掘ってください。
種芋の準備
むかご一本苗
初めての方から自然薯栽培農家まで一番よく使われている種芋です。
管理された圃場においてミニチューバー(ウイルスフリーの種芋)に生ったむかごを1年間栽培した種芋です。
芽出し作業が必要なく畑の準備ができ次第、すぐに定植することが出来ます。
定植した年の秋に収穫することができます。
生育が旺盛で芋太りが良く、安心してお使いいただけます。
切種芋
ミニチューバー(ウイルスフリーの種芋)から一年間栽培した自然薯を60g前後(50~70g)に切ったものを種芋として使います。
芽出し作業をすることで芽が出たものから定植していくことができます。
近年では、芽出し作業をせずに直植えする方も増えてきているため、農繁期で忙しい方などにはこちらの方法もおすすめです。
栽培シートの設置
自然薯栽培用シート
半円状に加工した塩ビシートを使用しています。
シートの中に砂を詰め、畑に重ねて伏せこんでいきます。
シートを埋め込む溝を掘る
ねぎ用管理機を使い、シートを伏せこむ溝を掘ります。
予めひもなどで印を付け線を引いておき深さ25センチ、幅25センチ程度で真っすぐに掘ってください。
シートは斜めに伏せこんでいくのである程度深さがないと傾斜がつきません。
くしを立ててシートを伏せ込む
自然薯栽培用のくしを掘った溝の中に幅が約3センチ程度になるように立てます。
立てたくしの方向が曲がっているとシートも左右に曲がってしまうので真っすぐに立ててください。
くしの両端から踏み込んで土圧をかける
シートの設置が終わったら足で踏み固め土圧をかけます。
踏み込みが弱いと自然薯が長く伸びてしまいシートからはみ出ることあり収穫の時に折れてしまいます。
踏み込みが終わったらくしを抜きます。
シートの受け口を拡げる
くしを外した段階では両端から踏み込んでいる為シートの口が内側に閉じています。
その状態で定植すると自然薯がシートの受け口の外側にはみ出しやすくなるため、手で外側に押し広げます。
目印となる棒を立てる
畝を立てるとシートがすべて土で隠れてしまうためシートの位置を確認するための棒を立てます。
シートの真上には立てられないのでシートからの距離を決めて置き真横に立てます。
シートにマルチを張り、畝たてをする
畝を立てる前にシート上部にマルチを張ります。
シートの中に雨水などの水分が多く入ると奇形芋が出来やすくなります。
シートに土を軽く被せ山を作りその上にマルチを張っていきます。
その後、畝を立てます。畑の水捌けの度合いによって高さを調整してください。
種芋の定植
定植は日中の暑い時間を避けましょう
芽出しをした種芋を使用する場合、根が乾きやすく特に日差しが強いと先端がしおれてしまうため、日中の暑い時間は避け朝早くに定植してください。
位置を合わせ種芋を置いたらすぐに土を被せてください。
マルチが張ってありますが自然薯が出来る中心の根はマルチを突き抜けてシートの中に入っていきます。
支柱立て・ネット張り
きゅうり支柱や直観パイプで支柱を立てていきます。
台風の影響や、雪の多い地域では茂った葉が雪の重さで倒されることがあります。
栽培環境にあわせて支柱の間隔を短めにするなどの対策をしてください。
きゅうりネットは強く張り、絡んだ弦が風邪で揺られないようにします。
敷き藁やマルチで防草・地温と湿度の管理
防草対策と地温湿度管理のため、藁や白マルチを敷きます。
定植してすぐにおこなうと根が浅く張りやすくなるため、ある程度根が張った時期におこないます。
夏場の雑草を放置すると収穫の際とても大変になるので定期的に草取りをおこなってください。
成長過程での管理
7月中旬ごろから葉が茂り始め9月には支柱を葉が覆うようになります。
その間、定期的な除草や病害虫予防のため消毒をおこなってください。
(アブラムシ・ヤマイモハムシ・ダニ・コガネムシ等)
収穫
霜が降り始めたら葉が枯れてきます
寒い地域では11月頃から霜が降り葉が枯れ始めます。
収穫は葉が完全に枯れてからおこなうようにします。
ただし、年内に収穫した自然薯は灰汁が出やすく傷みも早いので長期保存できません。
春‐夏以降も保存する場合は2月以降まで待ちましょう。
長期保存する場合は2-3℃の低温で保存します。